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大阪医療機器協会 2026年頭のご挨拶

2026年1月3日

2026年「年頭のご挨拶」

= 関西発の躍動を原動力とする「データ基盤革命」への挑戦 =

 

一般社団法人大阪医療機器協会
会長 千種 康一

謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 一般社団法人大阪医療機器協会の会長を務めます千種でございます。本年も皆様のご健勝とご多幸を心よりお祈り申し上げますとともに、業界への揺るぎないご支援に深く感謝申し上げます。

 昨年は、私たちが過去に体感したことのない、「超加速度的な変化」の一年となりました。国際社会の保護主義や地政学的な分断は貿易・物流の構造を硬直化させ、国内でも、長年の経済状況から脱した新しいコスト構造と構造的な人手不足が企業経営に難題を突きつけました。私たちは今、過去の慣習が通用しない、全く新しい時代を迎えたことを実感しております。しかし、この激動の波を追い風に変え、日本全体を力強く牽引する原動力として立ち上がったのが、私たち関西・大阪です。昨年の関西・大阪の躍進は、まさに歴史的なものと断言できます。

  1. 万博レガシーの確立:
     一昨年からの議論を経て開催された大阪・関西万博は、開幕前の懸念を払拭し、会期終了後も長く地域に恩恵をもたらす確固たるレガシーを確立しました。私事で恐縮ですが、昭和45年の前回万博に中学生として11回、今回も12回訪れることができ、万博が未来への起点だと痛感しております。2,900万人超という驚異的な入場者数は、日本の先端技術と未来像を世界に発信し、私たち関西人の「自信の源泉」となったのです。
  2. 政治・文化の重心移動:
     女性初となる高市早苗総理大臣の誕生は、永らく東京に傾きがちだった政治・経済の成果を、着実に地方、特に大阪・関西へと回帰させる大きな潮流を生み出しました。実は、高市さんとは20数年前からお会いする機会があり、その実行力と国を思う強い信念に感銘を受けています。そのスピードと実行力は、日本だけでなく世界にも大きな発信力をもって、この国の課題解決に臨むものと期待されます。
  3. 阪神タイガースの圧勝が示す組織の力:
     阪神タイガースのセリーグでの圧勝は、ど派手な選手の活躍ではなく、当たり前のプレーを積み重ねる「盤石な組織運営」の重要性を示唆しました。私自身、生まれながらの阪神ファンですが、これほど隙のない組織を見たことがありません。日本シリーズは惜敗でしたが、関西の躍動を示す熱戦でした。これは、人手不足の時代における「働き方改革」とも相通じる、少ない人数でも成長を続ける経営の原点を見直すきっかけともなりました。
  4. 科学・文化の飛躍を証明するノーベル賞:
     化学賞に京都大学の北川進先生、生理学・医学賞に坂口志文先生と、いずれも関西出身・関西の大学の先生方がノーベル賞を受賞されました。化学賞、生理学・医学賞の受賞は、関西がかねてより期待されている医療・製薬分野での大きな成果を示しており、文化・科学の飛躍を国内外に知らしめる明るいニュースが続きました。

 2026年は、東京に傾きがちだったバランスを関西・大阪に戻し、この関西発のエネルギーを原動力に、日本全体の構造的な課題を解決し、私たちが目指すべき未来へと一気に突き抜けて行く「第一歩」の年となるでしょう。

 

 私たちが直面する最大の課題は、医療機関における医師、看護師、薬剤師といった専門職の構造的な人手不足です。これはもはや個々の病院や企業の努力で解決できるレベルを超越しています。この人手不足という難題を乗り越え、医療資源を最適化する鍵こそが、医療DXによる「データ基盤革命」に他なりません。マイナ保険証の機能が浸透し、患者データ、治療プロセス、投薬履歴などが集積・紐づけられることで、医療界には前例のない「情報の新幹線」が敷設されました。このデータ基盤こそが、現場の負担を劇的に軽減し、医療資源を最適化するAI・ロボット技術の実装を現実のものとするのです。

 

 生成AIは世代を問わず一般化し、私自身もこの原稿執筆に活用しています。正直なところ、あまりにスラスラした文章にしてしまうので、『もうちょっと人間味のある、少し抜けた文章にして欲しい』と指示を出すくらいです。私たちはこれを単なるブームで終わらせず、その活用を加速させることが医療DXの鍵となります。具体的には、AIによるデータ解析は新薬開発や遺伝子治療の研究時間を劇的に短縮し、日常業務におけるAI活用は専門職の労働時間を大幅に削減、現場の生産性を飛躍的に高めます。このAI活用こそが、構造的な人手不足を解決し、医療資源を最適化する「医療DXのさらなる推進力」となります。私たち一般社団法人大阪医療機器協会は、この革新を単なる効率化に留めず、新しいビジネス創出へと繋げる推進役としての役割を果たす決意です。

 

 私たちは、この大きな変革の時代を勝ち抜くため、「世代を超えた共創」を推進してまいります。医療機器業界の未来は、新しい視点を持つ次世代の経営者、技術者、そして未来を担う若き才能にかかっています。当協会は、この新時代に必須となる「業界・業種・地域」を超えたネットワークと知恵の共有を、さらに強化してまいります。創立の理念を新しい解釈をもって深掘りし、「健康」「医療」「福祉」の市場に対して、データとテクノロジーを駆使した価値創造に挑戦し続けることを改めてお誓い申し上げます。

 

 さあ、皆様と共に、この変革と躍進の年を力強くスタートしましょう。

 

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